この度、第２０回日本褥瘡学会関東甲信越地方会学術集会を、2023年11月18日（土）に、日本科学未来館にて開催させていただきます。3年にわたるコロナ禍は世界中に多大な影響をもたらしました。それは医療界の学会活動においても然りであり、学術集会の役割をも大きく変化させました。苦肉の策として始まったWEB開催も新たな可能性を拓いたともいえるでしょう。コロナ禍が収束を迎えようとしている今、現地開催ができる喜びを噛み締めています。

そんな中、今回のテーマを「New WAVES」としました。創傷管理における湿潤環境によるイノベーションが起きてから久しく、各病院における褥瘡管理の進歩は目覚ましいものがあります。当学会員をはじめとする医療人たちの誠意努力によって、もはや大きな進歩は望めないとさえ思えるほどです。しかしながら、世の中は絶えず変化しています。広く目を転じてみれば、進歩の芽は至る所に潜在しているものです。今回の学術集会を企画するにあたり、新しい潮流を私なりに探索してみました。ポータブル・エコー、患者状態適応型パス、ICT、メタ・バース、ChatGPT、数々の新しい技術が目に留まりました。イノベーションは新結合とも訳されます。あるものに、あるものを結びつける（ □×□）。

すると、そこに新たな価値がもたらされ、創発が生まれてきます。一見、結びつけられるとは思えない異質なもの同士を、あえて結びつける試作が、予想もしないイノベーションを生み出すのです。私たちの褥瘡分野に限らず、広く医療界全体にイノベーションが必要であり、New WAVEが待たれていると確信します。参加される皆様自身のNew WAVESを考えるきっかけになれればと思っております。

久しぶりの現地開催の学術集会によって、新しい波の到来を感じ、それを乗りこなしていただきたいと思っております。さらに皆さんの力で新たな波を次々に起こしていきましょう。たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。